日本サプリメント臨床研究会

 

「植物性免疫グロブリンA(植物性IgA)」とは、大胆不敵に私(代表理事 長谷川秀夫)による造語なるものである。これは、私が世界で初めて提唱する概念である。

そもそも「イムノグロブリン」とは、動物の免疫細胞が作り出すタンパク質であって、植物には存在しないというのが定説である。あえて造語としたいきさつを解説したいと思う。


植物にとっては、天敵であるウイルスからの感染防御は、種の保存に直結する死活問題である。動物であれば抗体をもって対抗することができるが、免疫機能を有しない植物はどうやって対抗するのか?


これまでの研究によって、免疫細胞という高度に分化した細胞を有しない植物においては動物とは違った感染防除機構があることが分かった。そして、植物が産生する感染防御成分として、水溶性酸性成分の存在を解明した。そして、植物種子皮あるいは樹皮に含まれる水溶性酸性成分の方が、種子成分あるいは樹皮内部よりも抗ウイルス活性が高いことを突き止めた。

 

様々な植物種を解析した結果、この傾向は、植物種によらない普遍的なことのように思われる成果を得た。そして、植物が感染防御の手段として作り出しているのが、この水溶性の酸性成分の意味するところではないかという思いに至った。然らば、この成分が外界と直接対峙する種子であれば皮あるいは樹皮の部分に多く含まれていてもおかしくはないと・・・。

 

当然、植物には中性成分、アルカリ性成分も存在するが、抗ウイルス活性はほとんど認められなかった。 最近の研究では、細胞膜上の糖鎖末端シアル酸とウイルス吸着との関連が指摘されている。植物由来の酸性成分(分子内酸性基、たとえばリグニンにおいてはフェノール分子内水酸基)が、まさにウイルスと受容体との吸着において拮抗阻害するものと推察される。

 

この成分の顕著な特性は、抗体が抗原特異的であるのに対して、非特異的に作用することである。そして、ワクチンで対応できないような変異ウイルスに対しても奏功することが期待できる。しかも蛋白質から構成される抗体と違って耐熱性であるため、様々な加工食品にも添加できる。このような特性を備えた植物成分に相応しい名称として、ウイルスに吸着して失活するという機能に着眼して「植物性IgA」と命名した次第である。